3月11日で思う事
東日本大震災の起きた3月11日が過ぎ、
これまで何度も書いている事ですが、やはり今年も震災の事を思い出しながら、この日記を書くことにします。
あの震災の時、私は福島県須賀川市におりました。
たまたま同業の仲間のところに当社の社員2名を連れて研修会を行おうとついたところでした。
朝に八戸を出発し、お昼を少し超えたころに須賀川市に到着。
遅いお昼を食べて、雑談をしながら仕事の事をいろいろと情報交換しておりました。
そんな時、突然携帯電話から鳴り響く緊急地震速報。
大きな揺れが来るとの通知でしたが、何かの訓練かと思いました。
そしてすぐに大きな揺れが。
いつもの地震だと思いましたが、揺れはどんどん大きくなります。
そして、これは建物から出たほうが良いと判断し、建物から飛び出ました。
目の前で鉄骨の建物が箱のように揺れています。
窓ガラスが大きくゆがんでいましたが、とうとう耐え切れずに割れました。
まるでドラマのように実感できなかった揺れが収まりました。
しかし、目の前のガラスの割れた建物は夢ではありませんでした。
本当に大地震が起きたのです。
周辺の建物にも大きな被害が出ていました。
須賀川市の震度は6強。
震災のあと福島に何度か行きました。
友人の復興の仕事を見させてただきました。
八戸では地震の揺れがさほど大きくなかったこともあり、揺れによる建物の被害がさほどなかったかもしれませんが、
海の無い須賀川市では、揺れによる建物の被害が甚大でした。
その建物をどのようにして復旧するのか、それはこれまで経験したことのないリフォームの世界でした。
地盤がおおきく被害を受けている場合
建物が傾いたりゆがんだりした場合
湧き水など気づかない地盤を緩める要素があった場合。
そのような現場を目の当たりにすると、
これまでの耐震の知識があまり役に立たない現場も多いように感じました。
そして、その建物をリフォームで直せるのか?
という根本的な課題に突き当たります。
そういった中、同業他社の姿勢に疑問を持つ場面がありました。
ある方は、震災の1年前に大がかりなリフォームを行ったのですが、震災で大きな被害を建物が受けてしまいました。
施主様がそのリフォーム店に相談したのだが、結局一度も家には訪れて放置されていました。
施主様から見せて頂いた過去のリフォームの際には、耐震対策も含まれていました。
しかしながら、現実には建物は住めないとの被害判定を行政からもらいました。
その方は大変困っていました。誰も相談できる人がいないのです。
過去にリフォームをした会社は大手でしたが、結局相談に応じることはありませんでした。
最終的に私の友人の会社がリフォームをして住めるようになりました。
それは私の知識を超える復旧の方法でした。
家を壊して建て直せば一番良いのでしょうが、大規模リフォームを行った直後では資金的に相当に負担となります。
人生設計も大きく狂うでしょう。
本当にどの選択肢を取ればよいのか、さまざま一緒に考える
その事をこの現場から学びました。
リフォームは商品ではなく、人の人生に関わるサービス業です。
リフォームという大きなサービスを購入するのです。
そうであるならば、どういう姿勢でお客様と向き合うべきか、
あの震災の時、リフォームに関わる自分の力が必要とされている実感を忘れずに、
仕事をしていきたいと思います。

お客様の立場に立って考える事。簡単な様で難しいです。お家のお困りごとを理解して、最後の最後まで考え抜き、手をつくす。この人と出会えて良かったと感じて頂き、一生のお付き合いができるよう心掛けています。

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