映画 この世界の片隅に を見て
連休中は23日、24日とも仕事をしておりましたが、本日は気分転換に八戸フォーラムで映画を見てきました。
「この世界の片隅に」というアニメ映画です。
気分転換と言っても実は頭は仕事モードなのです。
この映画の内容自体よりも、この映画の監督の事を先日インターネットで見つけ、
映画の作り方の発送に共感するものがあったからです。
映画の内容は、第二次世界大戦中の広島県呉市と広島市での出来事で、
主人公の女性が少女時代の話から始まり、19歳で呉にお嫁に行って終戦を迎えるまでの出来事です。
内容が戦争や原爆の事を扱っているので重い映画かと思われるかもしれませんが、
この主人公が戦時下で”日々の普通の生活”をしようと奮闘する姿が描かれます。
日々の普通の生活ですからドラマチックなものではなく、
ご飯を作ったり洗濯をしたりといったごくありふれた日常が描かれます。
しかしながら、戦争という非日常の出来事がこのありふれた日常に次第に入り込んで来ます。
次第に悲しい出来事が身の回りに起きはじめるのですが、それでも主人公は懸命に日常を生きていきます。
私も呉市は三年ほど前に訪れたことがあり、近くにある江田島市の海軍兵学校だった場所(現在は海上自衛隊第1術科学校)も訪れています。
呉市では潜水艦が基地で並んでいる様子を見ましたが、こういう風景って青森では見られませんよね。
そのあと映画でも出てくる戦艦大和の事を知るため、大和ミュージアムにも足を運びました。
(写真は広島でリフォーム業をされている友人です)
映画の内容はさておき、この映画に興味を持ったのは監督の映画作りの姿勢です。
監督は映画を作るにあたり、文献資料と地図を使って徹底的に調べたそうです。
何月何日に呉港にどんな軍艦が入港したたか、空襲の日時はいつだったか、
具体的な日付からその日の気温や天気を調べ、
その日はどんな空だったか、空気は澄んで呉港が見渡せたのか?
その頃、その気候だったらどんな草が生えていたか?(主人公が野草を取って食事に入れるシーンがあります)
映画の主人公が暮らした実際の気候、風景を描くことで、日常の生活感によりリアリティが増すのです。
呉の街を歩いて調べることも数え切れないほどで、夜行バスで広島に行って調べてまた夜行バスで帰って来る、
というという事を何度もしたそうです。
アニメ映画ではフィクションが許されるかのように感じますが、この監督はそうはしなかったのだそうです。
原作の漫画が緻密でリアリティがあったからフィクションは許されなかったと監督は言っています。
私はまた違う見方をしています。
その行動は監の広島の人々(それは過去も現在も)に対する礼儀だったんだろうなと。思います。
アニメ化するにあたって、描こうとするにあたっての礼儀。
だから、フィクションだから、という姿勢はとらないのでしょう。
自分も物作りをする仕事をしていてとても共感するものがあります。
私の建築の恩師は古民家や街づくりなどの専門家ですが、
一緒に古民家の調査をするときに、とても細かくいろんな視点で見ているのに驚かされます。
建物の外周、地形、傷み具合、周辺状況だけではなく、
住んでいる人と会話し、時には近くを通る人に話しかけもする、
恐らく、その家を建物として捉えるだけではなく、その家の歴史を知ろうとしていました。
あるとき恩師にある質問をしました。
「どうしてそこまでやるのですか?」
恩師の答えは明確でした。
「それがそこに住む人に対する礼儀だよ」と。
私の仕事はリフォームですから、その家には数十年の歴史があります。
その家の歴史を知る事、そしてその家に住む人に礼儀を持ってあたること
が大切な姿勢だと思っています。
この映画、目立たない事もあって大きな映画館では上映されていなかったそうですが、口コミで良さが広がり
、今年の日本映画のベストワンとの呼び声が高いそうです。
物作りの正しい姿勢は、どの世界でも変わらないものだと思います。
私の仕事もそう思っていただけるようにしたいと思います。
お客様の立場に立って考える事。簡単な様で難しいです。お家のお困りごとを理解して、最後の最後まで考え抜き、手をつくす。この人と出会えて良かったと感じて頂き、一生のお付き合いができるよう心掛けています。
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