ご質問にお答えします
リフォームをお考えという方からご質問を頂きました。
直接メールも送らせていただきましたが、この場所でも詳しくお答えしたいと思います。
ご質問の内容は
「今回のリホームの最大のポイントは寒さ対策です。そこで教えてもらいたいのは古い家の暖房で今一番いい方法は?です。
ネットでみるとスラブヒータはランニングコストがかかるとかかからないとか二分した意見。他は電気代の問題。
一体なにがいいかプロの意見をお願いします」
ご質問は以上でした。
スラブヒーターというのを知りませんでした・・・。不勉強で申し訳ないです。
調べてみますと、スラブ(コンクリートつまり基礎ですね)を電熱線で温めて床下から暖めると言うものです。
(床下から暖めると事で最近新築でいくつか拝見しましたのは、床下エアコンを設置して暖める事例ですね。
これは最近目にする機会があります。「床下エアコン」で検索されてください。)
ここからは全く個人の見解になりますが、私自身はスラブヒーターなど大掛かりな機械システムはあまりお勧めしません。
と言いますのは、
1.大掛かりな全室暖房機器は壊れてしまうと修繕がかなり難しい
体験からいうと、
高気密高断熱+パネルヒーター+24時間換気
の組み合わせの家がそろそろ20年目を迎えます。お伺いして結構多いお悩みが、「24時間換気が壊れた」と言うものです。
建ててから20年経過の場合、自己責任で直す事になると思った方がいいです。
なぜなら、設計した人間は引退しているとか、メーカーが無くなっているとか、部品が調達できないとか、なかなかアフターが難しいのです。
スラブヒーターも20年後に故障した場合、恐らく直すのは難しいですね。
2.リフォームで可能か?
せっかく採用しても効果が出せるか分かりません。と言いますのは、スラブヒーターや床下エアコンなどの暖房のキモは「高気密」だからです。
暖房効率が良いというのは、熱損失が少ない家と言う事なんですが、気密性が悪いと暖房効率は格段に落ちます。
リフォームでは気密性を高気密住宅並みに上げる事は難しいのです。
ご質問でのスラブヒーターの効果の意見が二分すると言うのはおそらく「家の新築時の、高気密高断熱性能」の違いだからでしょう。
それから、基礎を温める方式はリフォームではほぼ採用不可能です。すでに基礎が出来ているので電熱線を埋める事は出来ないためです。
同様に床下エアコンも難しいかと思います。基礎の空気の流れの設計が出来ませんので。
じゃあ、新築しかないのか?と言いますと、「暖かさ」について私は全く別の回答を出しています。
それが、「調湿」です。
先日のブログでも書きましたが、体感温度を左右するのは温度だけではなく湿度も影響します。
温度を上げても湿度が上がらなければ寒さを感じます。
暖房を入れると冬の家は乾燥気味になります。
湿度が15%くらいで乾燥すると、室温的には25度あっても寒いと感じます。(先日体感しました)
逆に湿度が50%ほどでちょうど良いと、室温は18度でも暖かいと感じます。
湿度のコントロールを無視して温度だけで熱損失を計算した暖房計画はあまり意味がないのでは?
というのがわたくしの感覚です。
だいぶ長くなってきましたが、八戸の特徴をもう一つ載せておきます。気象庁の東京と八戸の2月のデータです。
気温が違うのはもちろんですが、湿度や風速がまるで東京と違います。
2月の八戸は風が強かったんです。体感温度を左右するもののもう一つは「風速」です。
風が強いとものすごく体感温度が下がります。
風が家の寒さの原因となる事についてはブログにまた書きたいと思います。
ご質問の主題「寒さ対策」についてはまたブログで書いてまいりますが、
・部屋の温度と湿度の調整
・床下環境の改善
・断熱材の正しい工事
が当社の対策です。
暖房方法?はこれらの対策をまず考えてからプランニングします。
家の間取り、住み方、リフォームの予算、など様々関係してきますので、暖房器具にもあまりこだわりはありません。
そもそも、温度、湿度、風速は日々、時間でどんどん変化しているので、それに機械だけでコントロールしようとしても無理があるだろうと言う感覚です。
お客様の立場に立って考える事。簡単な様で難しいです。お家のお困りごとを理解して、最後の最後まで考え抜き、手をつくす。この人と出会えて良かったと感じて頂き、一生のお付き合いができるよう心掛けています。
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