高気密高断熱リフォーム
先日東京での「高断熱住宅の結露対策」という研修会に行ってきました。
高断熱住宅にした場合に結露が起きてしまう場合がある、という問題についてのセミナーでした。
参加者もおそらく500名を超える盛況なセミナーでしたね。
高気密高断熱住宅でのこの問題に悩まされている工務店さんがこんなにいるのかと・・・
正直なところ驚きでした。
会場も当初の予定より大きな会場に変更になっておりました。
私共はリフォーム専業店ですので、いわゆる「高断熱住宅」をリフォームで実現させるために設計することもあり、行ってまいりました。勉強になった点が多々ありました。
高断熱住宅をわかりやすく言えば
「断熱材を家全体に回すことで暖かくする」と言うことなのですが、
実は断熱をするだけでは効果はあまり期待できません。
(断熱工事について詳しく知りたい方は、硝子繊維協会のページが詳しいです)
断熱材を施工するだけではだめで、「気密層」を作らないと断熱は性能を発揮出来ません。
具体的に言えば、ビニルシートのような防湿フィルムを断熱材の上から貼り付けるか、断熱材と防湿フィルムが一体型の場合には隙間なく貼り付けて気密層をつくるというものです。
気密層を設ける事で、室内の湿気が壁の断熱材に移るのを防ぎ、壁の中を湿気を持った空気が移動しないようにする事が出来ます。
しかし、この気密層を設けることで部屋の中の空気は換気されにくくなります。
人が生活すれば息から湿気が出ますので、これが室内に溜まっていきます。したがって、換気扇など空調装置をつけて換気する必要が出てきます。
(室内の酸素が足りなくなるのでは?と別な心配をされるかもしれませんが、酸欠で実際に問題が生じる事は耳にしたことがありませんのでここでは扱いません。そもそも高気密住宅でも空気の移動が全くない空間を作る事は不可能です。結露から生じるカビ問題対策の方がずっと大切です)
換気することで湿気を持った室内空気と湿気を持たない外気を入れ替えようとするんですね。
さらに、計画換気をしなければなりません。
計画換気というのは、結露など高気密にすることによって生じる不具合を避けるために計算された回数の換気を行うことです。設計時に換気装置もプランニングします。
しかしながら、いくつかの疑問点があるわけです。
(このことで今回のセミナーが盛況なわけですが・・・。この事を深く考える機会になったのはこのセミナーに参加してよかった点です)
・人は新築時の計画どおりにずっと生活できるわけではない。部屋の必要換気量も変わる
・せっかく暖房、冷房しても換気をしなければならないという矛盾
エネルギーを使って暖房、冷房をして、エネルギーを使って換気をする点も矛盾
・換気装置は経年劣化し故障する。その際簡単に交換することが可能なプランニングになっているのか。換気装置のメーカーは何十年もずっと対応してくれるのか?
・結露が起きた時の手直しの方策はあるのか?
などなど。高断熱住宅は様々解決しないとならない点がありそうです。
今後は中古住宅のフルリフォームやリノベーションが増え、家全体の断熱改修が必須になっておりますが、結露問題は頭に入れておかなくてはなりません。
私達は「調湿」という観点からその解決策を実践しております。
お客様の立場に立って考える事。簡単な様で難しいです。お家のお困りごとを理解して、最後の最後まで考え抜き、手をつくす。この人と出会えて良かったと感じて頂き、一生のお付き合いができるよう心掛けています。
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