提案力を向上させる為には難しい判断も必要
加盟しているリフォーム団体から、毎週のコラムで下記の内容が届いていました。
クレーム発生の事例を上げているものです。下記の内容を見てどう考えればいいのでしょう。
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タイトル
「苦渋のお断りもプロの判断!」
◆今回の施工内容
スロープの設置
◆お客さまからのご不満内容
結果的に費用だけを支払うかたちになってしまった。提案段階で要望実現可否を判断してもらいたかった。
◆ご不満を受けた原因
現地調査の折りに、お客さまがスローブ設置によりご自身で移動できるか否かは「難しい」と感じたにも関わらず
要望を叶えて差し上げたい気持ちが先立ち、「やってみないとわからない」と答えて施工した。
結果、そのスロープを使ってご自身で移動することはできなかった。
◆改善のポイント
プロの立場から
(1)「やってみないとわからない」といった曖昧な返答はしない
(2)施工品質を出せるか否かを踏まえて説明する
(3)代換え案も難しいようであれば、時にはお断りもお客さまのためになる
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具体的な写真が無いので分かりにくいのですが、設置したスロープが結局使えなかったという事なのでしょう。
この事例を私も考えてみます。
1.スロープの設計は利用者に使えるものではなかったが、それは十分に検討されていたのか?
まず問題点はここだと思います。
一般的なスロープが使えない位に介護度が高いのであれば、ケアマネージャーや療法士など専門のケアスタッフがいるはずなのですが、その方にまず相談したのでしょうか?
この設計者は建築のプロであっても介護の分野ではプロとは言えないでしょう。
そもそも建築のプロの定義とは、
”その分野の専門的なスタッフを情報源として持っている事”
なのではと思います。
2.お客様の希望通りしました、となっていなかったか?
スロープはお客様のご希望通り設置したようですが、結局使えなかった。
ここでやってはいけないのは「お客様の言う通りにしました」
という返答です。
お客様との意見の食い違いがあっても、そのメリットとデメリットは十分に説明をしなければなりません。
プロは言いづらい事も言える人だと思います。
3.お断りした後はどうなるのか?
これも難しい判断なのですが、予算的に全く無理の場合とかはやむを得ない場合もあるのでしょうが、
考え抜いていないのに、安易に「面倒だからと感じて」お断りして逃げてしまわないでしょうか?
例えば先日工事完成したTOTOハイドロセラフロアですが、
東北地区で一番多くの枚数を扱っているのは当社です。
とてもいい商品なのに同業他社では扱いが少ないようです。
理由は簡単で、工事がとても面倒だからです。
クッションフロアの張替なら即日トイレのリフォームが完了するのに、ハイドロセラにすると1日延びます。わざわざそのような手間をかけず、まずはクッションフロアで提案をしてしまう、結果全ての人に同じ対応をするのは、プロとして面倒から逃げていると思います。
私はTOTOの製品を中心に扱っていますが、
新しい商品を扱うときには、つてをたどって開発者までメールする事もあります。
この事例課題では、プロとして断る事も大事と言いたいのだと思いますが、
お客様が本当に困っているのを目の前にした時、出来ませんとお断りで終わらせる事が出来ますか?
もっと違う案を考えてみます、とか人を探してきます、とか
自分の知識と経験の為に出来る事はあるかもしれません。

お客様の立場に立って考える事。簡単な様で難しいです。お家のお困りごとを理解して、最後の最後まで考え抜き、手をつくす。この人と出会えて良かったと感じて頂き、一生のお付き合いができるよう心掛けています。

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