地域の絆。この街に住み続けたい ~津波の恐怖を乗り越えて~
リフォームのきっかけ
東日本大震災で発生した津波の被害を受け、約120cm床上浸水しました。住み慣れた家と土地で暮らしたいという想いから、リフォームを決意されました。津波被害に伴う復旧工事と、お一人暮らしを続けていくための住まいやすさを考えてリフォームしました。
リフォーム前のお困りごと・ご要望
〔津波による復旧工事〕
・床下が汚物を含んだ海水で浸かっていました。
・壁内も完全に濡れていました。
・住宅設備がほとんど水に浸かり使えなくなりました。
・増築部分であった台所からお風呂までが束基礎で、その下が津波で流され沈下していました。
〔住みやすさの改善〕
・万が一の避難を考え、寝室を2階から1階にしたい。
・洗濯機置き場が無く玄関に置いていたので、洗濯機置き場を作って欲しい
・洗面台が無く台所で行っていたので、身だしなみを整える洗面台を作って欲しい。
・玄関が物置状態になって使われていなかったが、避難を考え使えるようにして欲しい。
●プランニングのポイント
〔津波による復旧工事〕
・津波による汚水流入の対策として床下清掃と消毒を行いました。外壁内側も高圧洗浄で清掃をしました。
・海水を含んだ断熱材を入れ替えました。
・海水に漬かった住宅設備を全て入れ替えました。
・束基礎が流された増築部分の基礎を作り直しました。
・水廻りの動線を整理し一箇所に。避難経路を2方向に確保しました。
〔住みやすさの改善〕
・仏間だけで使っていた一階のスペースを広げて寝室にしました。
・浴室脇に洗濯機置き場を設置しました。
・洗面所を浴室のそばに設置しました。
・既存の広い廊下を半分にし、シューズクローゼット兼用の収納スペースと洗面所スペースとしました。
お客様の声
今年の夏心配していた臭いがする事は全くありませんでした。周囲の家では臭いがひどく再工事をした家があったらしいので、きちんと洗浄・消毒をしてもらって良かったです。
トイレに夜起きるようになってきたのですが、一階に寝室を動かして楽になりました。一階でほとんど生活するようになって楽になったなぁと感じます。洗濯と炊事、洗面所が近いってこんなに便利だったんですね。
リフォームして前よりずっと暮らしやすくなったし、やっぱり自分の住み慣れた家が一番。帰ってきて良かったと思います。
施工前【before】
すっかり泥をかぶってしまった屋内(居間)。壁の断熱材も海水で使えなくなりました。海水は、床から線までの1M20cmの高さまで押し寄せました。 |
キッチンも海水をかぶり全く使えない状態に。 |
仏間も同様に海水をかぶっていました。 |
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お風呂も泥だらけに。床下の土が津波で運ばれて床が沈んでいました。 |
お風呂の床は束基礎だったので津波で簡単に無くなってしまいました。 |
海水が入り込んだ床下は、重油と汚水とヘドロが混じり、悪臭を放っていました。 |
お客様データ | 八戸市 B様邸(ご本人70代) |
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リフォーム費用合計 | 約470万円(税込) |
構造(築年数) | 木造在来(35年) |
工事工期 | 約2ヶ月 |
施工中
床と内壁を解体した後、高圧洗浄器で洗浄。 |
洗浄後、消毒用石灰と消毒剤で消毒をしています。 |
床下に断熱材を敷き詰めました。 |
濡れた断熱材も入れ替えました。 |
施工後【after】
物置状態だった南側出口までの動線はすっきり整理されて一直線に。万が一でも山側に一直線に避難できます。
キッチンと洗面所、洗濯場、洗面所を近くにして家事動線を短くすることで、お一人暮らしに優しい住まいに。
お客様情報
お施主様名 | |
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性別 | 男性 |
年齢 | 20歳代 |
住宅 | 戸建住宅 |